明日は別の日

のんびりと、マイペースでブログを書いて来ましたら、結構長く続いています。元気出して行きまっしょ、というタイトルから、一新するつもりで。

コメディーフランセーズ

 

 

毎夜、7時半に、コメディーフランセーズで、プチギッシェという小窓の売り場が開く。 開演1時間前に売り出される5ユーロの窓口に、今日は人がわずかしか並んでいない。きっと良い席がもらえるの違いないと期待して並んだ。

もらったチケットをみて、「ボンプラスか?」と聞くと、ノンと答えた。もらった席は、ギャラリーの最上階の最後列の席だった。もういちど、窓口に行き、変えてもらえないかと聞くと、この場所のチケットしかない、と言う。座席表を見ていると、小さな窓口で売られる席でも、第一バルコニーとか、第二バルコニーにもあるように書いている。

 最上階まであがり、あてられた席につくと、あとからどっと学生達が入って来て、私の下の席や、中央に近い席など、ずっと良い席を占めた。学生達は、互いに違った場所にいる友人に声をかけあったり、わいわいがやがや。

 第一、第二と座席は沢山空いていた。彼らはそういう場所にも案内され、席に座っている。始まる前になると、最前列の空いた場所に移動したので、後ろの席が空いていた。

 私は、階下にそういう光景を見ながら、端の方の最後列に押し込まれた形になっていた。最近、高所恐怖症がひどくなっているので、席に腰掛けると、前屈みに体が傾き、落ちはしないかと、身がぞっとする。舞台を見ようと顔を出すと、体の神経が痛み出す。このまま、飛び降り衝動にかられたら、と想像すると、きりきりと体が痛み出す。

 出し物は「世界の終わりに」という題目で、内容がさっぱりわからない。言葉が早く聞き取れない。幕間で帰ろうと、我慢して時間が経つのを待っていたら、1時間が過ぎても、1時間半たってもいっこうに幕間にならず、間に挟まれているので、出て行けない。10時を過ぎて、とうとう、出ますから、と頼んで出してもらった。あとで見ると、2時間の幕間なしの公演だった。1952年生まれのJan Luk-Lagarceというエイズで亡くなった作家の、もっとも美しい作品だそうだ。先にパンフレットを見ておけば良かった。昔は、天井桟敷で見るのが、楽しかった。映画「天井委桟敷の人々」を気取って。高所恐怖症がこれほどひどくなかった。今はもうまったくだめ。針の筵にいる気分がする。

 

 

それにしても、コメディーフランセーズでは、毎夜、毎夜、同じような作品が上演されている。モリエール、マリボー、ボーマルシェなどの古典物が、代わる代わる、毎夜、毎夜上演される。コメディーフランセーズだけではない。オデオン座でもそう。昔と今も変わることなく続いている。

 日本では考えられないこと。そういう劇場は皆無に近い。国立劇場文楽がそれに近いが、365日、やっているわけではないだろう。歌舞伎座も、コンサートなどで、埋めている。それに、学生や、年寄り、失業者に、無料で席を設けている劇場などない。

 フランス政府の援助によって、成り立っているから、存続出来るにしても、果たして、日本で、こういうことになっても、人がやってくるかどうかも疑われる。

 

 国際都市だから、文化が根付いているという人もいるが、それだけではなさそうな気もする。

ちなみに、後でわかったことだが、1時間前になると、Cカテゴリーのチケットは半額で 売られる。失業者、28歳以下の人、老人は全席半額になる。グループの人達は、団体価額の安いチケットが更に半額しなる。 私も、通常のチケット売り場で買えば、もっと良い席を同じような金額で手に入れられたことになる。外の窓口が安いわけではない。862の座席表を見ながら、一番ひどい席をもらったのだとため息をつく。Cのカテゴリー席は、通常で11ユーロ、半額で5,5ユーロで2階席も多くある。